ももちん - Memo

Manalica(まなりか)のイラストなどを公開しています。

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2020/04/12

僕の目を覆っていたアイマスクを外されると、そこは微かに光の入る暗闇だった。

「こんにちは」

彼女は嬉しそうに笑いながら僕にあいさつを投げた。

僕はただ彼女を見上げることしか出来ない。
何故なら僕の口は塞がれ、上半身は腕と胴体を一緒くたに縄で縛られている。そして体は重力に身を委ねるように、この暗い部屋の床に横たえられている。
下半身は辛うじて拘束を免れ、自由ではある。しかし、腕が使えない状態では起き上がることも、寝返りを打つことも、出来ない。

「……」

二人の間に沈黙が流れる。彼女と僕はお互いに相手の意思を伺おうとするかのように、黙ったまま見つめ合っていた。

彼女は長めな黒髪を後ろで束ね、上の方で結びポニーテールにしていた。
そして服装も黒がかっていた。薄暗い部屋の中では彼女の装いは空気の色に沈み、肌の白さが浮いて見えていた。

「ごめんね、お待たせしました。頑張って縛り終えたよ。人を縄で縛るのは初めてだったの。君が初めてだった」

僕を見つめながら彼女は話す。僕は話している彼女の唇を見つめる。

「大丈夫、どこか痛かったりしない?辛い体勢じゃない?……あ、ごめんね。このままじゃしゃべれないね」

「……」

僕は、ただ状況に身を委ねるしかないのだ。彼女の意思一つで僕はどうとでもなる。

「しゃべれないの悲しいね。口、外してほしいかな?」

彼女は僕の意思を伺っているのではない。彼女自身が僕の口の自由を許すかどうかを自問しているだけだ。

「ほい。」

彼女はあっさりと僕の口にかませられていた布の猿轡を取ってしまった。


一時の思いつきと妄想で、何の設定も構想もなくこんなものを書き始めてしまいました(笑)
女性として縛りたい願望と、男性として転がされたい願望、どちらの側にも感情移入して綴りました。
多分続きません。

参考:(イメージ)